冷却対策特集 第2回目
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熱源と放熱部品間の熱抵抗値を最小限にするためにTIM(サーマルインターフェースマテリアル)は重要な選定ポイントとなります。 下記では、TIMの種類やトレンドを紹介します。 |
① TIM(サーマル インターフェース マテリアル)が必要な理由 |
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■ 熱源と冷却部品間の熱抵抗値低減。熱源と冷却部品の表面は細かい凹凸があり接触面にエアーギャップが発生し熱抵抗値が高くなり熱の伝わりを阻害します。TIMを使用することで細かい表面の凹凸を埋めてエアーギャップを解消し密着させることで熱抵抗値を低減し熱の伝わりを改善するために使用されます。 |
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② TIM(サーマル インターフェース マテリアル)の種類 |
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■ ベースの素材 |
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一般的に多く使用されるTIMはシリコーンをベースにした素材です。 しかし、シリコーンに含まれる低分子シロキサンを懸念する用途ではアクリル系・ウレタン系をベースにしたTIMを選定します。 |
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■ TIMの種類 |
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【シートタイプ】 |
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シート状に成形されたTIMです。熱源と放熱部品との距離がある場合や長期信頼性を必要とする場合に適しています。 | ||
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【グリスタイプ】 |
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液状の素材であるため膜厚を薄くする事ができ熱抵抗値を非常に低くする事が可能です。液状のため長期間使用した場合にポンプアウトが発生する事があるため、ポンプアウトが発生しない取付方法が必要になります。 | ||
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【ニ液硬化型グリス】 |
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主剤と硬化剤を専用設備で混合し塗布する製品です。塗布時にはグリス同様に液状ですが、主剤と硬化剤が混ざった時点から反応し硬化する素材です。液状のグリスでは対応ができなかった隙間の大きな部分への使用や長期信頼性の向上等、シート素材とグリスの優れた点を兼ね備えた素材です。車載分野などでは主流となっています。 |
③ 最適なTIM |
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TIMに求められる特性ポイントは「熱伝導率」「素材の硬さ」「厚さ」です。熱伝導率が高く、柔らかい素材で薄い事が理想的ですが、熱伝導率を高くするためには熱伝導性フィラーを多く入れる必要があり、熱伝導性のフィラーを多くすると素材自体の硬さが高くなる傾向があり、用途に合わせてバランスの取れた素材をピックアップする事が望ましいです。 | ||
■熱伝導率(W/m・K) |
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熱の伝わる特性を示します。数値が高ければ熱の伝わりが高くなります。熱伝導率を高くする方法として「フィラーを熱伝導率の高い素材に変える」、「フィラーの量を増やす」ことが一般的ですが、熱伝導率の高いフィラーは高価なためコストが高くなり、熱伝導フィラーの量を増やすとシート材の場合は硬くなる傾向があり、グリス状の場合は粘度が高く作業性が悪くなる傾向があります。 | ||
■素材の硬さ |
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柔らかい素材は密着性が良く熱抵抗値(℃/W)も低減することが可能です。 また、低荷重で潰す事ができるため半導体や基板等への負荷軽減につながります。 柔らかさを追求するためには熱伝導フィラーの充填量を少なくする必要があり、熱伝導率が低い素材が多く、柔らかい素材のため実装時に伸びやすく作業性が悪くなる場合もあります。 |
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■厚さ |
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TIMの厚みは薄いほど熱抵抗値が低くなり熱抵抗値を低くする事が可能です。一般的にシートタイプのTIMは最小厚みが0.5㎜程度、グリスタイプのTIMは最小膜厚で0.1㎜未満にする事が可能になります。熱抵抗値だけを優先するとグリスタイプが優れています。 |
製品の詳細およびお問い合わせ |
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お問い合わせメールアドレス : ml-promotion@jp.kagafei.com |
また、これまでの冷却対策特集の記事は、下記のリンクからご覧いただけます。 >>> 冷却対策特集 第1回目:ヒートシンク編 |